仙台高等裁判所 昭和52年(ネ)395号 決定
当裁判所昭和五二年(ネ)第三九五号損害賠償請求控訴事件につき、昭和五三年一月一三日当裁判所が右控訴人らに対してなした訴訟上の救助を付与する旨の決定を取消す。
【判旨】
当裁判所は先に主文掲記の訴訟上の救助付与決定をしたところ、今般右控訴人らが本件訴訟費用の支払をなす資力を有することが具体的に明らかとなつた。即ち、本件訴訟において被控訴人は、控訴人らの訴変更不許の申立をするに至り、その理由の一つとして控訴人らが原判決(控訴人らが原審で主位的請求とした債務不履行に基づく損害賠償請求を容れ、控訴人京子につき金一三四三万四八八四円及び内金一二四三万四八八四円に対する昭和四五年四月一四日から、内金一〇〇万円に対する昭和四八年二月二八日から各完済まで年五分の割合による金員、控訴人正則、同利明につき各金一一一三万四八八四円及び内金一〇一三万四八八四円に対する昭和四五年四月一四日から、各内金一〇〇万円に対する昭和四八年二月二八日から各完済まで年五分の割合による金員の各支払を被控訴人に命じたもの)に基づき仮執行をしたとの事実を主張し、その参考として右執行手続に関する書類の写しを提出した。右参考書類によれば、昭和五二年一一月七日、控訴人京子は金一八三七万六〇五七円、同正則、同利明は各金一五二〇万五五二二円(以上の合計額金四八七八万七一〇一円)を仮執行としてそれぞれ受領していることが明らかである。
もとより、右は仮執行であつて確定判決に基づく本執行ではないが、本件では原審被告の国が控訴せず、附帯控訴もしていないのであるから、右仮執行につき民訴法一九八条二項の原状回復が命ぜられることはありえないところであり、又右受領にかかる金員がさほど減少せずに現存しているとは考え難いが、さればとて、本件訴訟費用の支払をなしえないまでに減少してはいないと推認するのが相当である。
以上のとおりであるから、控訴人らを審尋するまでもなく、職権により、民訴法一二二条に基づき先になした訴訟上の救助付与決定を取消すこととし、主文のとおり決定する。なお、本決定の時までに救助してある費用については、本決定においては支払を命じないこととする。
(福田健次 小林啓二 斎藤清実)